呪 い サ イ ト
何度もつま先立ちを繰り返す
私をみかねた優里が、
「こっち」
人の少ない端へと連れて行って
くれた。ここなら私でも見れる。
1組の人の横なんかに居て、
「こいつ違うクラスなのに
入って来てるー」なんて
言われないか不安だったが、
みんな亜里沙の姿に釘付けで
私なんか空気のような扱いだった。
生臭さが私の鼻をつく。
風に乗って、臭いがここまで
漂ってきたのだ。・・・それ程
出血量が多い。柵が刺さった
部位から、とどめなく血が
溢れだしてきている。
ぼたぼた、と一滴、また一滴、
同時に何滴も血が滴り、
地面に真っ赤な海を広げていく。
苺潰したような”赤”だった。
思っていたように穢れては
いなかった。全然汚くない。
むしろ美しく、神聖な血だった。
凄い。血は誰の血でも、
例え穢れていそうな人の血でも、
こんなにも幻想的で美しいのか……。
感動でぞくぞくする。鳥肌が立った。