呪 い サ イ ト
私は呼吸をするのも忘れ、
血に見惚れていた。
「・・・こ。・・・うこ。
・・・優子! 優子ってば!」
「へっ!?」
優里の声によって、ハッと
我に返った。休み時間が終わり、
授業が始まることを告げる
チャイムが鳴っていた。
そして、遠くから救急車の
サイレンの音が、小さく聞こえた。
きっと、亜里沙を助けるための
救急車なんだろう。
「”へっ!?”じゃないよ。
いつまでボーッとしてんの?
教室戻らなちゃいけないじゃん」
あ、そうだった。
そう言おうとした時だった。
呟きのような、ぼそっとした
小さい声が背後から聞こえた。
「知らない……俺は知らない……
あいつが悪いんだ……
俺は何も悪くない……!」