呪 い サ イ ト

ひんやりと冷たいその声は、
まるで幽霊のようだった。
その言葉は自分に言い聞かせて
いるように捉えられる。

誰かと思って振り向けば、
死人のように青ざめた白い顔に
なっている石神だった。


「俺は悪くないんだ……
あいつが勝手に落ちただけで……
俺は……俺は……!」


何度も何度も同じことを口にする。

・・・そうだった。
石神が亜里沙を突き落としたんだった。
本人は軽く突き飛ばしただけなの
だろうが、亜里沙は勢い余って
窓から転落した。私がそうさせたのだ。

きっと亜里沙は石神のことが
好きだから。だからちょっかいを
出しているのだ。そんな大好きな
石神に突き落とされれば、
亜里沙は傷付くと思った。
少しは大人しくなると思った。
石神を恐れて近づかなくなるのもいい。
とにかく、亜里沙に精神的ショックを
与えさせたかった。そして、石神から
手を引いてほしかった。石神の
まわりでうろちょろする、邪魔者は
排除しなければいけないのだ。
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