呪 い サ イ ト
「ありがとう、坂山」
眉を下げた弱々しい笑顔と、
名前を呼ばれたことにドキッとした。
「う、うぅん……!」
私はちゃんと反応ができなかった。
なんだか顔が熱い。赤く染まって
そうで恥ずかしかった。
「さ、優子。そろそろ戻らなきゃ
やばいから行くよ」
ハッと我に返ると、1組の生徒達は
席に着き始めていた。
3組の私が1組の教室に入っていたって、
ばれない内に戻らなければ。
優里が私の腕を廊下へと引っ張って
行き、こそっと耳打ちをした。
「よかったね、優子。
これで石神の中で優子の印象が
よくなったかも」
「え……!?」