呪 い サ イ ト

亜里沙が教室の窓から転落する
という事故があった翌朝。


「行ってきまーす!」


私はいつもより10分程早く
家を飛び出していた。

学校指定の白いスニーカーのつま先を
アスファルトに強く打ちつけ、
踵をスニーカーの中に収める。

「いってらっしゃい!」という
母の声を背で聞きながら、
私は勢いよく走りだした。

こんなことをしている理由はただ1つ。
亜里沙の転落事故現場の跡を見たいのだ。
まだ血痕が残っているはずだから。
どんな色の血痕になっているんだろう。
鮮血なら見たことあるが、
血痕は見たことがなかった。
本当は昨日の帰りに見に行こうと
思っていたのだが、警察の人達が
たくさんいて、立ち入り禁止のテープが
貼り巡らされてあったのだ。
今日はそれがないことと、血痕が
綺麗に掃除されて消されてないことを
祈るとしよう。

気が付けばドキドキとワクワクが
体中から溢れだし、いつのまにか
私はスキップしていた。
通学鞄の中にたっぷり入った重い
教科書がバサバサと揺れる。
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