呪 い サ イ ト
尾行されていたのだろうか。
私は優里を恐怖の瞳で見返すことしかできない。
声を出そうとしても、喉の奥で何か塊が
つっかえていて、上手く声を出すことは
できなかった。いくら絞り出そうとしても、
言葉になっていない掠れた声しかでない。


「優子は、鮮血の虜になってる」


私をミイラにしようといわんばかりに、
毛穴という毛穴から汗がどっと噴き出す。
体内の水分を搾り取られて、
喉が渇きを訴える。

数分前の優里の状態が私に移ったように、
動悸と息切れが激しくなってきた。


「汗と息切れやばいよ。まさか図星?」


獲物を見るような目で私を捕え、
くすり、と口角を吊り上げて笑う。

私はもはや、肯定することも否定することも
できなかった。もはや全て見透かされている。
ふと、脳裏にとある考えがよぎった。
優里があの呪いサイトに私の名前を
書き込んで、私を操っている、という
考えだ。もしそうだとしたら、
私は後々確実に死ぬ。もう殺されることが
決定事項となっていることとなる。

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