呪 い サ イ ト
では、私は今優里によって生かされている
だけなのだろうか。もうこんなことを
考えるのが嫌になって、私はここで
思考をやめた。

私がずっと口を閉ざしていたからか、
それを見かねたように優里が口を開く。


「まぁ、あの血の跡のギャップは
酷いよねよね。鮮血は結構綺麗で、
真っ赤だったのに、残ったのは黒ずみ」


思考をやめても、動揺していても、
私の頭は冴えているようだ。
人間、窮地に追い込まれたほうが、
意外と頭の回転が速いのかもしれない。
そんなことを思いつつ、
優里の少し話がずれた発言に対し、
すかさず返す。


「へえ、優里って学校来る時に
あの場所通るんだ?」


たったの数分なのに、何年かぶりに
口を開いたような錯覚に陥る。
いつの間にか、喉の奥に重くつっかえて
いたものは無くなっていた。


「うん。普通に通るよ。家知ってるでしょ?」
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