呪 い サ イ ト

 ……キモキモオーラ全開。
 ウチは呆れて、虫等の嫌なものを見るような目で谷井を見る。

 早起きして二時間もかけたの? ご苦労様。そんな無駄な時間があるなら、その腐った根性と性格を直せ。

 そんなことを思っていた時、


「―――おっはよー、夏紀!」


 親友の佐藤 真里(サトウ マリ)に声をかけられ、ハッと我に返った。


「あっ……真里。おはよぉ」


「さっき怖い顔してたけど、どうかした?」


 真里はさばさばとした性格で、活発そうなショートヘアが印象的だ。


「んー……ちょっとね。ほら」


 ウチは視線と顎で谷村を示した。真里はまたか、と納得して不快感を露骨に顔に表す。


「あいつ馬路うざいね! よく高井に話しかけてるし、なんなのってかんじ!」


 真里はまるで自分のことのように、苛立ちを隠せず谷村を睨む。
 谷村は内股で立ちながら、上目遣いで高井と話していた。その姿を見ていると、更に苛立つ。
 谷村を睨む目が、自然と鋭くなった。

 呪ってやりたい―――。

 ふと、なんとなく、そう思った。
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