呪 い サ イ ト
 私が問いかけると、優里はふっと笑った。まるで「うまく食い付いたな」とでも言うように。
 言動次第で優里はすぐに私の嘘を見破るだろう。
 あまり反応を示さないようにしよう、と心に決めた。


「寧々と莉音と幸恵の三人を呪いサイトに書き込む時、ようするに呪い方を優子が鮮血が見れるような方法にできるかも、ってこと。あ、でもこれからの―――」


「本当!?」


 先程心に決めたばかりのはずなのに、私は優里の言葉を遮ってまで事実の確認をし、優里に詰め寄っていた。
 いや、事実の確認ではなく嬉しくて咄嗟にあげてしまう言葉、といったところだろうか。鮮血が見れると聞いた途端、興奮が抑えきれなかったのだ。

 優里は詰め寄った私から離れるように、一歩後ろへと下り、


「あれ? 鮮血のこと好きじゃないんでしょ? どうしてそんなに食い付くの? どうしてそんなに嬉しそうなの?」


 私はハッと口を噤むことも、「違うよ。またあの三人を呪うのか、ってことだよ」等という言い訳もしなかった。
< 200 / 210 >

この作品をシェア

pagetop