呪 い サ イ ト
 そんな奴だったんだ……というのが正直な気持ちで少し引いたが、不本意ながらとはいえ、私は石神と仲良くなれたような気がする。邪魔者達が入院している間に、石上と大きな関わりを持てたのは確かだった。
 今まではずっとに協力してもらっていたが、やはりと石上では会話が成立しないため、特に最近では優里が協力してくれている。
 私は毎日ドキドキと胸が高鳴る楽しい学校生活を送っていた。

 邪魔者―――莉音と幸恵が退院し、また石神に話しかけているようだが、そんなことをしたっていつも無視同然の反応しか示さないのだ。しつこく関わろうとする姿は目障りだと思ったが、もはや二人は邪魔者ではない。邪魔者”だった”と過去形にして表すのが適切だろう。

 一年一組の教室の前で物思いに耽ていると、偶然か優里が教室から出てきた。すっと長い睫毛が生えた優里の目はすぐに私を捕え、


「優子、ボーッとしてどうしたの?」


 と微笑みを浮かべ、軽く手をあげて私に近づいて来る。
 偶然出てきたのではなく、私を見つけて出てきたようだった。


「石神を見てたの?」


 また出た。何もかもを見透かしたような、涼しげで余裕たっぷりの笑み。
< 204 / 210 >

この作品をシェア

pagetop