呪 い サ イ ト
 好きな人を無意識の内にみつめている人が多いとはいえ、実際に石神見ていたため、見透かされたのは事実だが。


「あ、図星でしょ? 本当好きだね~」


 私も優里につられてはにかんだ。
 私と優里の視線は自然と石神に向く。やはり暗い表情の石神しか、瞳には映らなかった。
 心なしか細くなったような気がする。げっそりとしていて、きちんと食べているのか心配になった。


「石神ってあれから病んだよね」


「だよね……」


 私は優里に同意の言葉を向ける。

 結果的に私と石上の距離が縮まったとはいえ、どんどんやつれていく好きな人を見るのは辛い。


「罪の意識でも感じてるんじゃない?」


「罪の意識か……」


 自分で優里の言葉を繰り返して思った。私は自分のことしか考えていなかった。
 優里の嫌う寧々のように、私は自己中心的だ。いわゆる”自己中”。
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