呪　い　サ　イ　ト
　何も知らない飯塚と原間は、「あいつが勝手に落ちただけじゃん。お前が落ち込むことねぇって」「そうだよ、教室で暴れるほうが悪いんじゃん。石神は何も悪くねぇって」と石神に対して言っているらしい。二人にその気がなくても、石神は余計に追い詰められるような気がする。

　亜里沙に突進されそうになった石神は避け、勢い余った彼女は窓から転落した。表向きはそうなっている。
だから石神はお咎めなしで、まわりからも彼は悪くないと思われている。

　―――でも。もし真実がみんなに知れたら？

　石神の立場になって想像して身震いをした。


　石神は一生、ずっと永遠に―――亜里沙を突き落して大怪我をさせたという、十字架を背負って生きていくんだと思う。


「ま、もうすぐ優子と石神はくっつきそうだし。晴れてカレカノになったら、真実を知ってる優子が思う存分慰めてあげれば？」


　意地悪な笑みを浮かべた、優里の表情と言葉が何か企んでいるように私には見えて、一瞬少し恐怖感を覚えた。
　でも、


　「もーっ！　やめてよー」


　と私は顔を赤くして笑いで吹き飛ばした。
　優里への恐怖も、疑念も、石神達に対する罪の意識も何もかも全て。
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