呪 い サ イ ト
「……で、話って何?」


 待ち堪えた真里が口を開いた。

 ウチは拾い上げた芳香剤をぎゅっと握りしめる。かぽ、と間抜けな音がして、空気が抜けた。芳香剤を元あった場所に置き、全てを話す心の準備のため、深呼吸をした。爽やかな芳香剤の香りが、胸いっぱいに広がる。
 こほん、と軽く咳払いをしてから、ウチは話し始めた。


「一昨日……携帯にメールが来たの。サイトの宣伝メールだったんだけど、それはただの宣伝メールじゃなくて……」


 ウチの行動を把握していた。まるで監視でもされているようだった。でもそんなことを話して、真里は信じてくれるだろうか……。
 そんな不安があった。常識的には考えられないし信じられないことなのだ。これを話すのは、後にしよう。ウチを受け入れてくれたら話そう……。


「その宣伝されてたサイトは、呪いサイトで……。丁度その時、谷村のことでムカついていたじゃない? だから谷村を呪うように書き込んだの。〔谷村 萌は学校の前で跳ねられて死ぬ〕って……。そうしたら……! 本当に! 本当にそうなっちゃったのよ……!!」


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