呪 い サ イ ト

 二人は屋上へと繋がる階段に座り、真里は深刻そうな表情で口を開いた。


「あのさ、夏紀が昨日言ってたんだけどね……」


 え!? ウチのこと? 真里ってば……何を話すつもり!?
 ウチは息を詰めて耳を澄ました。


「うん。夏紀がどうしたの?」


 若干不思議そうな表情を浮かべ、相槌を打ちながら真里の顔を覗き込む梓。


「呪いサイトっていうやつに、〔谷村は学校の前で車に跳ねられて死ぬ〕って送信したんだって……!」


 真里は恐ろしい形相をしていた。目は大きく見開かれ、血走っている。まるで精神異常者のようだ。


「呪いサイト? 何それ……?」


「呪う人の名前と呪い方を書いて送れば、呪ってくれるらしい!」


「……えぇー、まさかぁ。よくあるようなサイトだとは思うけど……本当に呪ってくれるの?」


 梓は困惑したような半笑いで、冗談っぽく問いかけた。

 常識的に考えたらそうだろう。ウチも、最初はそう思っていた。
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