呪 い サ イ ト

「……で、でも…………!」


 反論しようとする真里をキッと睨みつけると、怯えた様子で「ひっ……!」と小さく声をを上げた。


「名前書いただけよ?!! 書いただけで死ぬなんて、科学的に証明できる?!! できるならやってみなっ!! ……ってかさ! なんでそれを人にいちいち言うわけ?!! ウチを人殺しっていいたいの?!!」


 興奮して息も言葉も荒い。
 けど今はそんなことどうでもよかった。高井に目撃されたら絶対に幻滅されるだろうけど、どうせ見られてはいないだろうし、気にしている場合じゃなかった。ただただ、目の前にいる真里への憎悪と怒りが増幅して、ぐちゃぐちゃに混ざっていく。


「真里最低!! あんたなんてもう、友達なんかじゃない!! 絶交よ!! 真里なんて……真里なんて……!! 死んじゃえぇえええぇええぇっ!!!!」


 煮えくりかえった腸を絞り吐き出すように、大声で怒鳴った。

 ……真里なんて、本当の、本当に……死んじゃえばいいのよ……!!

 そう思いながらゴリラのように股を開き、ドスドスと足音を立てて教室へ向かう。こんな姿を高井に見られたら、やっぱり幻滅されるだろう。教室近くになったら普通に歩かないと。
 自分でコントロールできないくらいの怒りに支配されても、頭のどこかにはいつも高井がいる。どんな考えにも、高井の存在が入り込んできてしまう。

 ――そうだっ!

 ウチはとてもいい事を思いついた。想像するだけで笑みが大量に零れる、とても幸せで楽しいことだ。

 帰ったら真里をあのサイトに書き込んでやるのだ。

 待ってろよ、真里!! ウチを裏切った報いを受けろ……!!
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