呪 い サ イ ト

 授業が終わり、ウチは部活をサボって急いで家に帰った。勿論、真里をあの呪いサイトに書いて送ってやるためだ。

 通学鞄から、本来は学校に持って行ってはいけない規則の携帯を取り出した。画面を開き、アドレスが貼られていたメールからサイトへ直行する。


「真里はウチを裏切ったんだから、谷村より酷く死んでもらわないとね!!」


 どんな死に方が相応しいだろう……?
 考えるだけで楽しく、笑みだけでなく声までもが零れそうになる。けど一人でいるのに笑い声を出すと、傍から見れば明らかに変人だ。頑張って堪えるが、くっくっくっ! という声だけはどうしても漏れてしまった。


「―――そういえば。梓もウチを裏切った! 許すわけには……いかないわ……!!」


 ウチにはもう、味方はいない。梓も真里の所へ行ってしまった……。
 うざいと思ったことは何度あっても、友達とは一度も思ったことがない梓に裏切られて、ウチはなんだかショックだった。なんだかんだで、梓が鬱陶しく寄ってくるのが普通であり、日常だったのだ。

 ウチはあの二人に相応しい死に方をパッと思いつき、送信フォームに書き込んだ。


〔佐藤 真里は八田 梓に裏切られ、学校にてナイフで何十箇所も刺されて死ぬ。八田 梓はその後自殺する〕


「これでいいわよね。裏切りには裏切りを!!」


 威勢のいい声を出したものの、送信ボタンを押そうをした指が止まった……。
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