呪 い サ イ ト

「高井くぅ~ん! 重いよぉ~! 持って~! 一緒に行こうよぉ~!」

 ほらあいつの登場。また谷村だ。
 今日の日直は谷村で、授業に使う物の準備や片付けをしなければいけない。
 仕事はこなすつもりらしく、黒板用の大きな定規を抱えている。男子に甘えるのが目的なだけで、ここが女子校なら間違いなく放置するだろうと推測した。


「……ったく、仕方ねぇなぁ」


 高井は頭を掻き、迷惑そうに呟いた。


「んじゃあな、近藤。数学の課題頑張れよ」


 高井は谷村の元へと行ってしまった。

 なんだかんだ言って、高井は優しい。だから例え谷村でも、仕方なくだが相手もしているし、こうして困っていたら、放っておくことができないのお人好しなのだ。
 そういうところにも惚れたのだから仕方はないけれど……。


「あ~あ、行っちゃった……。谷村にまた邪魔されたし! うざっ!」


 谷村だけは許せない。

 もう本当に、呪ってやりたいくらい―――。

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