呪 い サ イ ト

「―――あぁっ！　泥棒！」


　だが、美味しそうにウチのケーキを頬張った、高井を見ているだけで幸せになれる……。

　・・・って！　高井はウチの食べかけのケーキを……！
　こ、これって……か、かかかかか、間接キスぅ！！！？

　恥ずかしくなり、みるみる内に顔が熱くなり火を噴きそうになる。漫画で大げさな表現をしたら、ドーナツ状の煙がぼんっとあがるはずだ。


「ん？　どうしたんだ、近藤？」


「・・・な、何でもないわよ～」


　ウチは笑って誤魔化す。だが、誤魔化しきれたかはわからない。
　絶対に不自然だろう。


「このケーキ、すっげぇ美味しいな！ほら、近藤も食べろよ、あ～んっ！！」


　高井は自分のフォークでウチのケーキを掬い、ウチの口元へと差し出す。


「あ～んっ！！」


　ウチは何も躊躇うことなく、咄嗟に高井のフォークにかぶりついた。