呪 い サ イ ト

 だがそれは……よく考えればとても恥ずかしいことで。
 ウチはより赤面する。


「美味いよな」


「う、うんっ」


 それは今まで食べた、どんなケーキにも勝る、最高の味……。
 好きな人に”あ~ん”をして食べさせてもらうと、最高の味になる魔法がかかる。


 その後、真里と梓がいた五班から、ケーキを分けてもらった。二人もいなくなって、その分余ったのだ。
 それを高井と”あ~ん”をしあいあって、食べて食べさせる……。まわりの視線が少し痛かったような気がするが、最高の時間だった。

 今日はすごく幸せな日となった……。
 二人がウチのせいで死んだことなんてあの悪夢の光景を見たことなんて、高井のおかげですっかりと頭から抜けていた。
 生まれてから、こんなも幸せで、素敵な日なんてあっただろうか。
 ・・・いいや、なかった!
 今日は今までで一番良かった。最高だった。こんなに幸せでいいのだろうか、と思ってしまう。
 なんだか怖いぐらい、ウチは幸せだ……。
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