呪 い サ イ ト
 憎しみを込めた目で二人を見る。


「・・・あぁ、そう。じゃあね」


 思っていることを全て吐き出したい衝動を抑えて、私はその場を去った。

 ・・・前にもこんなことがあったような気がする。
 莉音はよく、知っていて誰かの好きな人と仲良くしていた。その”誰か”が、今回は私だった。
 他の人物もそんなことを言っていた。何度か注意したことがあるが……全く直してくれないのだ。
  自分が可愛くてモテることがわかっていて、わざとやっているのではないかと思うようになってきた。
 しかし、そんな莉音にも思いを寄せる人物がいる。飯塚 直人(イイヅカ ナオト)という髪が肩まである、男子にしては長い髪の持ち主だ。それだけを聞くと気持ち悪い、と思うかもしれないが、顔が整いすぎの美形でそれがまた似合っている。とにかくイケメンだ。学年で一番のイケメンだと思う。
 身長も高くてスラッとした細身で、モデルになれそうだ。むしろモデルに見える。

 そんな文句なしの男子は、勿論付き合っている彼女がいる。
 ―――野中 美亜(ノナカ ミア)。小学生からの付き合いで、私の一番の親友だ。
 笑顔が可愛い美人で、ショートヘアがよく似合っている。というより小学生の時からのため見慣れている。華奢な体つきをしているが、元気そうな雰囲気を纏い、実際の性格は少し大人しめといったとこだろうか。澄んだ美しい声もまた印象的だ。

 幸恵はただの男好き。可愛くもないのに、調子に乗っている。性格も悪い。長所なんてなかった。

 最近私は、この二人を憎むようになっていた。

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