呪 い サ イ ト
 ―――土曜日。午前九時。

 私はビニールのバッグを持って、中学校の正門の前に来ていた。


「・・・うー。寒いなぁ」


 白のマフラーをきつく絞め、ぽんぽんがついた黒の手袋をきっちりはめる。
 黒の分厚いダウンに身を包んでいても、まだまだ寒かった……。


「ねー。寒いねー……」


 私と同じく黒のダウンを着た莉音が、悴んだ指先をさする。


「・・・幸はまだ?」


 優里は待ちくたびれたようだった。


「遅いわね……。家が遠いからかしら?」


 学校のすぐ近くに家がある寧々が言った。辺りをキョロキョロと見回し、幸恵を探す。


「ごめーん!!」


 幸恵が自転車をぶっ飛ばしてやって来た。


「んじゃあ、行きましょー」


 私達は楽しく雑談をしながら、駅に向かって自転車をこぎ始めた。
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