呪 い サ イ ト
 電車の中で座席に腰をかけながら、私達は少し飛び跳ねて笑う。
 次はスパラダイスがある駅だ。


「向こうで何乗るー?」

「やっぱウォータースライダーよ!」

「あの無料のやつー?」

「くるくる回って降りてくのは?」

「それ面白そー!!」


 さっそくプールのことで話していた。
 はしゃぎまくって、大声で笑う。他の乗員が白い目で見ているが、そこを気にすると楽しくない。
 私は私達の世界に戻る。


「こっちだね!」


 電車を降りると、ホームの壁には有難いことに、”スパラダイスはこちら”という矢印のついた紙が貼ってあった。それを頼りに、私達は歩いていく。


「お昼何食べるー?」

「何あったっけー?」

「カレーがよくない!?」

「あ、それいいー!」

「みんなカレーに決定ね!」


 わーわー騒ぎながら、施設に入った。

 女とはつくづく騒がしいものだと、自分でも思った。


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