呪 い サ イ ト

「ええと……どうしましょうか……」


 係員は何かに迷っているようだった。


「早くしないと亡くなってしまいます!」

「でも……さすがにそんなことは……!」

「他のお客様への被害が大きすぎる……」

「ですがプールの水を全部抜かないと助かりません。見殺しにはできない!」


 係員はプールの水を全て抜くということに、踏み切るかどうか迷っていることが、会話を聞いていてわかった。
 だがそんなことをしている内に、三人は死んでしまうかもしれない。

 早く、早くっ!!


「上からの許可がでました!」

「よし、全部抜けー!」


 ―――パンッ!

 詮が弾ける音が、プール内によく響いた。
 プールの中の水がどんどん無くなっていく。プール中がざわめいた。

「何!? 何!?」

 多くの人が状況を掴めず戸惑う。


「お客様ー! 大変申し訳ありませんが、穴の中に人が吸い込まれてしましまして! 水を一旦全て抜かせていただきました!」


 拡声器を使った係員の声がよく響いた。
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