ひっきーの恋
「俺、川田ー!
よろすくっ!!」
さっき、
教室に滑り込んだときに
護の声をかけた男子が
うちに向かって言う。
うん。
本当うるさい。
声、もう少し、
ボリューム低くできないの?
「うん。
よろしくー。」
心のうちでは文句を言いながらも、
外では愛想笑いを浮かべる。
その後も、
護の周りにいた人から
自己紹介を受けたが、
誰もこれも流した。
最後の人の自己紹介が終わると、
タイミング良く鐘が鳴った。
それを合図にみんな席に戻っていく。
「じゃあね。」
護が手を振って
うちも手を振り返した。
先生がそのあとすぐに来て、
授業が始まった。