ひっきーの恋
木の真下でもぞもぞと動いているそれは
さっきと同じ黒色だった。
やっぱり猫かなんかと思ったけれど、
ちと、猫にしては大きすぎる。
犬?
ううん、もっと大きい。
あれは…、学ラン?
って、人かよ!
サボりかあいつ!
木の真下のそいつを凝視しながら
脳内でツッコむ。
学年カラーは緑だから、1年生か…。
胆座ってんなあ…。
枝と枝の隙間から見える
その顔はすごく整っていた。
まるで芸能人のようだ。
すっかり勉強を
ほったらかしにしていたうちは、
ふと、黒板を見ると、
めちゃくちゃ進んでいるのを見て、
更に絶望した。
こんなんで、平気なのかな?
自分。