ひっきーの恋
そのまま走って家に逃げ帰ると、
玄関を開けてすぐのところで
息が苦しくなって、しゃがみ込んだ。
「はぁっ、はぁっ」
こんなに走ったのってきっとないと思う。
運動会やマラソン大会でさえ
やる気がなかったから。
「はぁ、はぁっ、」
呼吸が完全に治まらないままうちは
靴を脱いでリビングに行った。
最早あの人たちの臭いは
全く残っていない。
うちは大きく深呼吸をした。
「----っはぁっ。」
深呼吸を終えると、
うちは今着ているジャージに着替える際に
サブバに突っ込んだ
制服を取り出した。
そしてハンガーに手早く掛け、
ソファーに倒れこむ。
買った当初ほど跳ねるわけもなく、
うちは堅い部分にぶつかった。
「~~~~~っ!!」
痛みは半端なく、
うちはしばらく痛みに泣きそうになっていた。