ひっきーの恋
うちを囲むようにして立つ人らの中には、
まったく見知らぬ顔もあった。
たぶん、他の小学校から
来た人だと思った。
下卑ている。
と感じる薄い笑みは
こいつらと何ら変わらない。
またうちをイジメるのだろうか?
そんな悪い予感と悪寒が
脳内を駆け抜ける。
「ねぇ?
誰を好きなったの?」
「教えてよーっ?」
ふざけた口調。
それでも威圧するような眼。
うちのようなイジメられて
ビクビクしている人をイジメて、
見下して、
それで心を粉々にしても、
素知らぬ顔でまた誰かをイジメて、
そして、何が楽しいのか、
高らかに哄笑する。
そんな奴らが
またうちの心を蹂躙するように嗤う。