ひっきーの恋
「ねぇ、教えてくれないの?」
イラッとした様な顔で、
1人が言う。
うちは、もう既に体が強張って、
少しも動けなかった。
声も、小さな小さな
呻き声の様なものしか出なかった。
「馬鹿にしてるの?」
明らかな怒りをうちに向けた。
うちはもう駄目だと思った。
心の中で助けを必死に求める。
護、助けてっ。
助けて…っ。
必死に。
必死に。
まるで、呼べば来てくれるという
当てのない期待と確信を込めて。