ひっきーの恋
「落ち着きなよー。
この子、あたし達を前にして
怖がってるんだよー。」
1人がなだめるように言う。
「そうだっけ?」
「忘れたの?
この子、いっっつも
ビクビクしてたじゃん。」
「あ、そっか。
ビビりだったもんねぇ。」
相手の怒りが、
一時的にとはいえ治まって、
情けないことに、
うちは内心ホッとしていた。
「じゃあ、これの好きそうな人を
片っ端から言ってみようか?」
名案とでも言うように
1人がパッと顔を輝かせた。
「いいね、それ。」