ひっきーの恋
体が硬直する。
うちを見て相手が嗤う。
溢れるのは悔しさとやり切れなさ。
「ははーん、
アンタ護が好きなんだ?」
まるで胸倉を掴まれたような恐怖が
背中を伝って首を締め付ける。
「…ちが、」
満足に出ない声で反論しようとした。
意味なんて存在しない。
「違くないよ。
アンタ、小学生の時も
そんな風だったじゃん。」
そんなこと掘り返さなくていい。
思い出したくないから。
あの日、胸に秘めた思いに
大きなヒビが入ってしまったのだから。