ひっきーの恋
心の亀裂とちいさな失望
次の日、
行きたくない、休みたい
という思いに駆られながらも
うちは学校に行った。
いつもように下駄箱から
上靴を取り出し、
スニーカーから履き替える。
上靴に履き終えたあと、
うちは4階に通じる階段を
ゆっくりと登り始めた。
途中、何回も
同級生や下級生に抜かされていく。
なんだか
今のうちの心の状態と
似ている気がした。
みんな知らん顔で
うちを追い抜かして置いていく。
いくら「待って」って叫んでも、
みんな気付かないフリして置いていく。