ひっきーの恋
首に下げていたペンダントが
無い事に気がついたのは、
裏庭から教室に帰ってきてすぐだった。
授業もサボって、ずっと探した。
ずっとずっとずっと。
そして、裏庭の焼却炉の中で
やっと見つけた時には、
黒くこげて、
見るも無残に溶けていた。
きーんこーんかーんこーん。
授業の終わりを告げる鐘の音が
遠くに聞こえた。
うちはまだ少し、
熱を持っているペンダントを
握り締めて、
教室へと歩き出した。