先生or生徒?!
階段を走って登ってみたり、廊下をひたすら急ぎ足で歩いてみたり……。

めったにやらないことばかりしたせいか、大会議室に着いた頃には息が上がっていた。


わたしは2、3度大きく深呼吸して、息を落ち着かせる。

心臓のペースも正常に戻ってきたから、扉に手をかけた。

「わ……」

全学級委員とは言っても、各クラス2人ずつ×5クラスだから10人しかいない。

それなのに、大会議室に集まったりするから、異様な風景が生み出されている。

広い教室に扉を開く音が響いたから、みんながわたしを振り向いている状態………。

なんか、やだなぁ。


わたしは視線の間をくぐって、みんなが座っている所を目指した。

「あっ、きたか小宮。じゃ、司会頼むぞ」

……はい?

「ん?学年委員長だろ??」

いや! それはわかっとるのですよ!
そうじゃなくて…

「な、なんで理系の長崎先生がここに!?」


そう。
わたしに話しかけてきたのは、圭だったから。

普通、こういう会には学年主任がつかない?!


「あぁ、俺が頼んだんだ。やらせて欲しい…ってね」


瞬間、圭の眼鏡が光った気がした。
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