先生or生徒?!
「飾りの内容ですが…」

ざわざわ………。

どうやら、わたしの声はみんなに届いてないようだ。

『何作りたい?』とか、『彼氏欲しいぃ』とか、いろんな声が聞こえてくる。

「えーっと、話聞いて!」

ざわざわ………。

このざわめきは、わたしに封じられそうにないんですけど。


圭に向かって助けてぇ、と心の中で叫んだ。

すると………

「お前ら、委員長の話聞けよ!」

わたしを助けてくれたのは圭…ではなく、岡本くん。


さっきまで頬杖をついて窓の外を眺めていた人が、いきなり声を出したから室内は静かになった。

岡本くんを見ると、顎をクイッと少し動かして合図をしている。

あれは多分、話せって意味だよね?


わたしは岡本くんに感謝しながら、話しを再開。

「飾りはチラシでも、なんでもいいです。なので、各自家でわっかの飾りを作ってきてもらえませんか?」

みんな正直、面倒臭さそう。

けど、反論してくる人はいなかった。


「時間がないので、今週中にお願いします。じゃあ、今日は解散」

わたしがそう言うと、みんな大会議室を後にした。


…圭ファンと岡本くんを除いて。


「あのさ、小宮」
「あっ、岡本くん。さっきはありがと」
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