先生or生徒?!
わたしが圭と圭にまとわり付くファンの子達に意識を注中していると、岡本くんに呼ばれた。

「いや、そんなことは別にいいんだ」

? じゃあ…どうしたの??


「その、これからは俺を頼っていいから。長崎じゃなくて…俺を」
「…へ?」

えっと……。
これは、有り難く受けとっておくべき言葉かな?

「うん、ありがと」


まただ。
わたしが笑顔を見せると、岡本くんはなんだか赤くなる。

そして整っているカオを、笑わせて見せた。

やっぱり、イケメンだよね。
岡本くんも。


「それだけだっ。じゃあなっっ!」

机に置いてあった鞄を拾い上げると、岡本くんは走って行ってしまった。

それにしても、圭より自分を頼れって…。

圭もだいぶ、なめられてるなぁ。


「ほら、もう帰れ」
「えぇ。」

圭はクールに、女子を追っ払い中。

なかなか帰ろうとしなかった女子達も、圭の『言うこと聞かない奴は嫌いだ』の一言にはかなわなかった。

圭ファンも行ってしまい、結局大会議室には圭とわたしの二人だけ。

『先生の佳奈恵の好きな理由』

ふっと、ユリちゃんの言葉が頭をよぎった。


………聞くか。


「ねぇ」
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