先生or生徒?!
「圭はさ、わたしのどこが好きなの?」

……しーん。

圭は何も言わない。
黙ったままだ。

もしかして…聞いちゃマズったのかな………。


「あはは、ごめん忘れ…」
「知りたい?」
「え…?」

圭は一歩一歩、わたしに近づきながら言った。

「知りたいの? 佳奈恵の好きなとこ」


小宮から佳奈恵に変わると、どきっとしてしまう。

それに…。
なんか圭の雰囲気、さっきとは違くない?

「え…っと。知りたい…です」

わたしは少し抑えぎみに本音を告げた。


「じゃあさ…
………キスしてよ」

……え?

「えぇぇっ?!」


わたしからキスするとか…
ありえないし!!


目の前の綺麗なカオは、少し拗ねたようになって言った。

「俺から、もう2回もしたんだけど」

あ…、と声を漏らしてわたしの右手を取る圭。

「あれ、俺の印は?」
「?」


…あ。 もしかして、キスマークのこと?

「そんなの、お風呂入ったりしたら消えちゃったよ」

すくっ
…と、圭が勢いよく立ち上がった。

その直後…

「きゃっ」

わたしは圭に机の上に押し倒された。

背中から腰にかけて、鈍い痛みが走る。


「け、圭!?」
「ほら、キスしろよ…」


息がかかりそうなほど、近くに圭がいる。

「…早く」
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