先生or生徒?!
「早く、キスして」

さっきは強制するような感じだったけど、今度は甘えるように求めてくる。

どうしよう。
しなきゃだめなの?


「な、なら。目ぇ閉じて…?」

圭はすぐに目を閉じた。

ああ、もうっ!
わたしの心臓うるさい!!

こんなに近くに圭がいるんだから、きっと胸の音聞こえてるって!


……よし!
ヤなことは早く終わらせよう!!
それで、好きなとこ聞いてやりんだからっ!


ちゅ。


わたしは静かに唇を重ねた。

「!!?」

な…なんで?!

圭、離れてくれないんですけど!


わたしの口は、圭の唇に塞がれたままだ。

逃げたいんだけど、机に体を押し付けられていて自由がない。


「んん〜〜!」

やばいって!
息、苦しいんですけどっ。

わたしはありったけの力を込めて、圭の胸を押した。

「…ぷはぁっ」

……どうにか、酸素を吸うことができた。

わたし、生きてるよね!?


「あははっ」
「なっ、何を笑うか!」

もぅ〜〜、ありえない!!

涙を少し浮かべた目で、圭を睨みつける。


「俺はそういう困った佳奈恵を見るの、好きだよ」
「はぁあ?」

それはS発言なんじゃない!?

「信じらんないっ」
「ほら、そういうカオ」

ちゅっ…。
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