先生or生徒?!
「いや!こないでよっ!!」


やめてくれ!
こっちは、まだ疲れてんの!!


「ぇぇ、ひどいなぁ〜」
「やだ、ってば!」


止めてって言ってるのに、圭はわたしから目を逸らさない。


わたしは癒しきれていない足を無理矢理動かし、必死に逃げる。



「はいっ、たぁっち!」


頑張りも虚しく、簡単に捕まってしまった。


「はあ、はあ…」


息を切らしながら、わたしは圭を睨んだ。

……コイツめ!


「おぉ、こわっ」
「!?」


ぎゅっ……。


圭の手がわたしの手を包み込む。

え、なんでッ!?



「てつなぎ鬼、だろ?」
「…あ。」


わたしの表情から、考えてたことを読み取ったのだろう。


てつなぎ鬼だということ、すっかり忘れてた…。



「ほら!行くぞ、小宮」


ぐいっと圭に引っ張られ、わたしの体は自然と前進した。


そのまま、圭に引っ張られながら走る。


力、強いんだなあ。



わたしは息苦しくなるだけなのに、圭とつながっていることが嬉しくて…。


幸せだった。
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