先生or生徒?!
「よっしゃ、タッチ!」
「長崎先生、速すぎだしぃ」


圭が4人目にタッチした女子から、甘ったるい声。


多分、圭ファン。



「2人ずつに、分かれなきゃだよ?」


わたしは不安げに圭に尋ねる。

その女子と一緒に走るとか…、言わないよね?



「あ、そうかぁ」
「わっ」


強い力で引き込まれた先は…、


「俺と小宮で行くから」


圭の胸の中だった。



「えぇ〜〜、先生と走りたかったぁ」


へへん、ざまあみろってんだ!

何てったって、わたしは圭の彼女だかんねっ!!


「長崎先生、いこ!」

わたしは女子のカオを睨みながら、圭の手を引く。

絶対、あんなふうに媚びうる子には負けたくない!



無意識のうちに、わたしは圭の手を握ってずかずか歩いていた。

「ま、待てって、佳奈恵!」
「…えっ!?」


わたしの足は、突然進まなくなった。

……圭がわたしを制止してたから。


「あっ、…ごめん」


一人暴走してたことを知り、謝った。

しかし、圭のカオは怒ってはいない。

むしろ……、ニヤけてる?



「佳奈恵さぁ、意外とヤキモチやきなんだな」
「なっ……!」
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