先生or生徒?!
「ねえ!さっきから、佳奈恵って呼びすぎだからっ!!」


わたしは『ヤキモチ』から話題をずらしたくて、圭に名前のことを抗議した。


名前で呼び合うのは二人の時限定…、って言ってたのに!



「大丈夫、誰にも聞こえてない」
「ひゃああっ」


耳に息を吹きかけるように言われるのは苦手…。

変な声、出るし…。



「そんな可愛い声出すと、襲っちゃうよ?」


耳攻撃、再び……。

今日の圭は、いじわる圭だぁ!


わたしはメガネの向こうの圭の瞳を睨みつける。

圭はメガネの向こうからわたしの瞳に笑いかけて…。

って! これじゃ、見つめ合ってるようにしか見えん!



『みんな、捕まえましたぁ!』


わたしと圭がイチャついてる(?)間に、終わってしまったようだ。

やっぱり鬼が多いから、早く終わったな…。


「…あ! 次に進めなきゃ…」


ステージ脇に戻ろうと体を捻った。


…のだが、わたしの体は半分振り返ったところで動かなくなった。



「わ、ごめんっ」

圭と手を繋いだままだったから。
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