山田丸★ころがり系
一番乗りでころがり会に到着すると、僕は服を脱いで待った。

準備はばっちりだ。



座っておにぎりを食べていると、トキオがやってきた。

こいつは、何を考えているのかわからない掴み所の無い男だ。

なんていうか地味だ。

年上だが、頼れる雰囲気はまったく無い。


「わぁ。山田丸。なんて格好してるんだ」

トキオは言った。


「トキオ先輩。知らないんですか」

僕は得意な気持ちになって言った。


「え、何?」


「身体測定、ですよ」


「まさか」


「その、まさかですよぅ」


「学校でもないのに、身体測定なんてあるもんか」


「ころがり会は学校みたいなものじゃないですか」


「でも、俺、聞いてないよ」


「電話連絡、こなかったんですか」


「え?」


「まあ、前の奴がトキオ先輩に電話するの忘れちゃったんでしょうね」


「っていうか、連絡網みたいなものがあるの?」


「最近できたらしいですよ。今回、僕も初めて聞きました」


「そうなんだ……」


「さあさ、先輩も脱いでください」
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