山田丸★ころがり系
「シバケン、君は将来何になりたいんだい?」


アイスコーヒーに四つ目のガムシロップを入れながら僕は言った。


午前十時。


ファーストフード店で、僕はシバケンに人生のアドバイスをしていた。


「女のヒモですかね」


ストロベリーシェイクのストローを口にくわえたままシバケンは言った。


ストロベリーシェイクのストロー、略してストストだな。

なんて考えながら、僕はシバケンを眺めた。

ひょろりと背が高く、肩幅が小さい。

目は大きいが、歯も大きい。

リスのような男だ。

背の高い巨大なリスだ。




「人生の目標があるとするだろ。そうしたら、それを達成するために、今何をすべきか考えるんだ」

僕は言った。


「へえ♪」

シバケンは鼻にストローを突っ込みながら答えた。


「たとえば、ハタチになったとき、シバケンはどうしていたい?」


「酒と女に溺れた日々を送っていたいですねぇ♪」
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