山田丸★ころがり系
本屋を出ためるは、まっすぐ自宅へ向かった。

めるが玄関のドアを閉めるところまで確認して、僕達は尾行を終えた。


で、
シャープペンだ。


僕は心の中でつぶやいた。

尾行はうまくいったが、僕がしたいのはストーカー行為ではなくシャープペン探しだ。


僕はめるの家のまわりをくまなく探した。

やはり無い。

道には落ちていなさそうだ。

西の空が赤く染まってきた。

暗くなる前にケリをつけなければ。

僕は必死で探した。

はたから見たら挙動不振かもしれない。

でも、僕は頑張る。

かならずキリンのシャープペンを見つける。


通行人は怪訝な顔で僕を睨み付け、犬は僕に向かって本気で吠えた。



わんわん


さっかからしつこく犬に吠えられている。


「うるさいなぁ。バカ犬め」

僕はつぶやいた。


その時、突然、膝に軽い衝撃が走った。

「かうっ!」

僕はバランスを崩して倒れた。
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