山田丸★ころがり系
『MERU』と書かれた木製の札のかかったドアが目に入る。


めるの……部屋。


キュン。


胸が締め付けられる。

めるが生活している部屋。

眠ったり考え事をしたり着替えたり、めるがいろいろしている部屋。


見てみたい。

でもダメだ。

家に上がり込んで部屋をのぞくなんて完全なストーカーだ。

僕はそこまで堕ちていない。

でも、興味はある。


立ち上がってドアノブを回すだけで良い。

そこはきっとパラダイスだ。

甘い香がして、ピンクのカーテンが風に揺れ、小さなベッドがある。


僕は誘惑に負けそうになった。

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