山田丸★ころがり系
その時だった。


わん!

と、富士太郎が吠えた。


これは、部屋をのぞきたいという僕の気持ちを後押ししてくれているのだろうか。

そう思って立ち上がった瞬間。



「富士太郎おいで」

部屋の中から声が聞こえた。




めるの声だ。


嫌な汗が体中から吹き出す。


めるは部屋にいたのだ。

よく考えてみたら、めるが家に入って行くのはさっきこの目で確認したばかりだし、自室にめるがいるのは当然のことだ。

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