山田丸★ころがり系
「買ったやつじゃだめだよー」

めるが言う。


「何で?」

トキオが言った。

「だって、あれ、ナナ君からもらったやつだから大事なんだもん」

めるが言った。


「おっと。める君、そんなに大事にしてくれていたのかい」

ナナフシが言った。


「ナナ君が、初めてめるにくれた物だから大事なんだよ」

「ほう。それなら、もっと良いものをあげるさ」

ナナフシはそう言うと、カバンの中から、銀色に輝く細いペンを取り出した。


「お。クロスのシャープペン?」

トキオが言う。

「僕はシャープペンはあまり使わないからね。これをめるにあげるよ。そんなに高い物ではないが、良い物だ」

ナナフシはめるにクロスのシャープペンを手渡した。


「わぁ!ありがとう★なんか大人っぽい感じで格好良いよ」

めるはうれしそうに言った。

「気に入ってもらえてうれしいよ」

ナナフシが言う。

「実はあのきりんのやつ、デザイン的にはあんまり気に入ってなかったんだ。てへへ」

めるが言う。

「気に入ってないのに大事にしてたの?」

トキオが言った。

「てへへ。ナナ君がくれたものはみんな大事だよ」


「妬けるなぁ」

トキオが言うと、ナナフシは苦笑した。
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