山田丸★ころがり系
「どんなものですか?」
「友達本人と、有木めるさんが、二人きりで夜の公園のベンチで手を繋いでいるという出だしでした」
シバケンがそう言うと、ざわめきが起こった。
めるを見ると、困惑したような表情をしていた。
僕は体中の毛穴から、油っぽいエキスが吹き出るのを感じた。
「めるさんは言うのです。『実はずっと好きだったのよ』と」
シバケンは続けた。
「『僕もだぜ(はぁと)』と答えた主人公はめるさんの肩を抱き寄せます。思っていたよりもずっと華奢な体に、主人公は驚きます。同時に、石けんの良い匂いを感じます」
ころがりメイツのざわめきが大きくなる。
「やわらかい体を抱き止せ、唇を重ねます。二人の舌は絡み合い、主人公は体の奥が熱くなるのを感じます」
めるは真っ赤になって泣きそうな顔をしている。
「主人公は、そっとめるさんの胸の膨らみに触れます」
ナナフシとトキオはすごい目付きでシバケンを睨んでいる。
「『やわらかい』主人公は言います。『やだ、エッチ』めるさんは嬉しそうに言います」
ざわめきはさらに大きくなる。
めるはとうとう泣きだしてしまった。
「先生!オレはこんな恥ずかしい小説を勝手に読んでしまったんです。友達に申し訳なくて、どうしたら良いかわかりません」
シバケンが言う。
「シバケン君、君に今出来るのは、その友達にあやまることです。そうすれば、君は救われるでしょう」
先生が言う。
模範的なアドバイスだ。
「わかりました。先生、ありがとうございます」
シバケンはそう言うと、何を思ったか、僕の前まで歩いてきた。
「山田丸先輩!勝手に小説のノートを読んですいませんでした!」
シバケンは大きくはっきりとした声で僕に言った。
「友達本人と、有木めるさんが、二人きりで夜の公園のベンチで手を繋いでいるという出だしでした」
シバケンがそう言うと、ざわめきが起こった。
めるを見ると、困惑したような表情をしていた。
僕は体中の毛穴から、油っぽいエキスが吹き出るのを感じた。
「めるさんは言うのです。『実はずっと好きだったのよ』と」
シバケンは続けた。
「『僕もだぜ(はぁと)』と答えた主人公はめるさんの肩を抱き寄せます。思っていたよりもずっと華奢な体に、主人公は驚きます。同時に、石けんの良い匂いを感じます」
ころがりメイツのざわめきが大きくなる。
「やわらかい体を抱き止せ、唇を重ねます。二人の舌は絡み合い、主人公は体の奥が熱くなるのを感じます」
めるは真っ赤になって泣きそうな顔をしている。
「主人公は、そっとめるさんの胸の膨らみに触れます」
ナナフシとトキオはすごい目付きでシバケンを睨んでいる。
「『やわらかい』主人公は言います。『やだ、エッチ』めるさんは嬉しそうに言います」
ざわめきはさらに大きくなる。
めるはとうとう泣きだしてしまった。
「先生!オレはこんな恥ずかしい小説を勝手に読んでしまったんです。友達に申し訳なくて、どうしたら良いかわかりません」
シバケンが言う。
「シバケン君、君に今出来るのは、その友達にあやまることです。そうすれば、君は救われるでしょう」
先生が言う。
模範的なアドバイスだ。
「わかりました。先生、ありがとうございます」
シバケンはそう言うと、何を思ったか、僕の前まで歩いてきた。
「山田丸先輩!勝手に小説のノートを読んですいませんでした!」
シバケンは大きくはっきりとした声で僕に言った。