山田丸★ころがり系
ころがり会の今日の活動は、『自分の特技を紹介しましょう』という物だった。

それぞれ、前に出て、歌を歌ったり、描いた絵を見せたり、作った料理の写真を見せたりした。


僕は、体がやわらかいのが特技だったので、みんなの前で、いろいろなポーズを披露した。


その時に靴を脱いだ。

僕のポーズは結構好評で、アンコールに答えて、長い時間前に出ていた。

しばらくして自分の席に戻って来た時、靴はもう無かった。


近くの席にいたのは、咲坂きのこ、トキオ、ナナフシ、シバケンの4人だ。


「犯人はこの中にいる」


僕はビシっと、そう言ってやった。


「はぁ?」

トキオが言う。


「ひょっとして僕らを疑っているのかい」

ナナフシはそう言って、鼻で笑った。


「あの……私は、靴を隠すなんてこと、しませんよ」
悲しそうにきのこが言う。

「山田丸!きのこを疑うなんてひどいじゃないか」

トキオが言う。


「キヒヒヒ」

シバケンは笑っている。


「きのこさん、ご、ごめんなさい。僕、そんなつもりじゃ」

あわてて僕は言った。

きのこに嫌われるのは避けたい。

「山田丸さん、すぐに人を疑うのは良くないことです」

きのこが言う。

「そ、そうですね!きのこさんはそんなことする人じゃありませんネ!ご、ごめんなさい」

僕がそう言うと、きのこはにっこりと笑った。


「わかってくれたなら良いです」
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