山田丸★ころがり系
「で、残るは3人ですね」
僕は静かに言った。


「俺は靴なんて隠さないよ!そんな子供っぽいことはしない!」

トキオが言う。

ちょっと慌てているところが怪しい。


「実に下らないな。君の靴に触れることが、まず、大変屈辱的なことだ。クツだけにね……フフフ」

ナナフシは、うまいことを言ったつもりらしいが、そんなのは親父ギャグだ。


「やだ。ナナフシさんたら。うふふ」

しかし、きのこには受けている。


「そうだ。誰がおまえの汚い靴になんて触りたがるって言うんだ。山田丸、おまえ、水虫っていう噂だぞ。」

トキオが言う。


「み、水虫なんかじゃないですよー!誰がそんなこと言ったんですか!」


「誰から聞いたのかは忘れたが、みんな言ってるよ!山田丸が水虫って」


「嘘だ!僕は違う!」


「ともかく、おまえの靴に触りたくないとみんなが思っているのは事実だよ」


「そんな!」


「だから、俺たちを疑うのはお門違いってこと」


「そんな!でも僕の靴は無くなったんだ。犯人は絶対にこの中にいる!」

一生懸命しゃべりすぎて、よだれがたれてしまった。

きのこが一瞬、汚らわしいものを見るような目をしたのを僕は見逃さなかった。

「では、証拠はあるのかい?」

ナナフシが言う。
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