山田丸★ころがり系
証拠と言われると困ってしまう。


「黙ってしまったな。やはり証拠は無いのだな。証拠も無しに疑うなんてひどいじゃないか」


「そうですよ。友達を疑うのは悲しいことです」

きのこが言う。

「友達だと思ってもらえたことをありがたく思うと良いですよ。山田丸先輩」

シバケンが言った。


そう。

友達を疑うのは良くない。

証拠も無しに、そこにいたというだけで疑いをかけるなんて、僕はどうかしていた。

きっと4人を不快な気持ちにさせてしまった。

謝ろうと思った瞬間だった。


「行こうぜ」

トキオはそう言うと、きのことナナフシと三人で、離れた席に移動してしまった。

多分、遠くから僕の文句を言うつもりだ。
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